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2020年(令和2年)4月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は34件で、前月比で3件(9.7%)、前年同月比で13件(61.9%)それぞれ増加した。
負債額は130億700万円で、前月比21億700万円(19.3%)増、前年同月比では109億1700万円(522.3%)の大幅増となった。
負債額10億円以上の大型倒産はキャスキッドソンジャパン㈱(東京都港区、服飾雑貨ほか小売、負債額65億円)、㈱ラビアンローゼ(静岡県浜松市、貸衣装ほか、負債額24億9900万円)、東京山喜㈱(東京都江戸川区、呉服・和装製品ほか小売、負債額12億8100万円)の3社。負債額5億円以上の倒産は発生せず、70%近くは負債額1億円以下の少額倒産だった。
キャスキッドソンジャパン㈱は英国発の雑貨ブランド「キャスキッドソン」の日本法人で、全国の百貨店やショッピングモールなどに店舗を展開していたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴い英国の親会社が全店舗を閉鎖、当社も緊急事態宣言を受けて休業・時短営業を強いられ、事業継続が困難となった。
㈱ラビアンローゼもコロナウイルス拡大で貸衣装や結婚式のキャンセルが多発して先行きの見通しが立たなくなり、東京山喜㈱も全国で「たんす屋」の店名でリサイクルきものの販売店を展開していたが、同じくコロナ拡大で店舗の大半が休業を強いられ、たちまち資金繰りに窮し、自主再建を断念した。
以外でも4社のコロナ関連倒産が発生しているが、東京山喜㈱は2019年9月にはすでに再生支援協議会による支援決定を受け、スポンサーを探すなど立て直しに努めていたところであり、㈱ラビアンローゼも2018年頃から資金繰りが逼迫し、金融機関と弁済延期交渉を行っていた背景があり、コロナが破たん原因の全てとは言い難い。
当月も国内外ともにコロナ一色で、全国に緊急事態宣言が発令されたことで、ホテルや飲食店、百貨店・スーパー、大型ショッピングモールなどが営業自粛(時短営業及び休業)を余儀なくされ、経済は停滞。この影響から特にホテル・宿泊施設の倒産が多発した。
大手企業はすでにコミットメントライン(融資枠設定)を導入した資金確保に動き、中小零細企業も給付金やセーフティネットを活用し当座の資金繰りを補填する動きが全国的に広がっている。
しかし、コロナの終息と売上回復の見込みが立たなければ、一時凌ぎにしかならず、5月6日までとされていた緊急事態宣言も5月末まで延長され、引き続き時短、休業の延長継続を余儀なくされる小売・サービス業を中心に、規模の大小に関わらず、資金力の脆弱な企業から倒産が多発する可能性も予想される。
業種別では、「小売商」21件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」4件、「その他」3件で、「染色整理・特殊加工」、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」各2件、「織物製造」「呉服・和装製品製造卸」各1件。
原因別では、「業績ジリ貧」が27件で79.4%を占め、他は「業況急変」7件。
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