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2022年(令和4年)8月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は24件で、前月比8件(50.0%)増加、前年同月比では12件(100.0%)増えた。
負債額は95億5000万円で前月比55億5300万円(138.9%)増、前年同月比では74億8900万円(363.4%)増えた。負債額が90億円を超えたのは2021年5月の94億3700万円以来1年3カ月振りとなった。
負債額10億円超の大型倒産は三崎商事㈱(大阪府箕面市、婦人服・洋品卸ほか、負債額46億6300万円)1件のみで、同5億円以上は㈲ヤングリーフ(埼玉県越谷市、タオル製品製造、負債額9億6000万円)、㈱ソックスジャパン(東京都台東区、婦人服製造、負債額7億円)、山光化染㈱(京都市伏見区、染色整理、負債額6億5000万円)の3社。
三崎商事㈱はヨーロッパ高級ファッションブランドのインポーターとして大阪地区では著名な企業で、ピーク時の1991/2期には年商216億1800万円を計上し、高収益を確保していた。しかし、バブル崩壊後は業績が低迷。一時は有力ブランド「ドルチェ&ガッバーナ」の扱い開始で持ち直したが、取引終了後は減収に歯止めが掛からず、この間、不動産投資の失敗・デリバティブ損失などで多額の赤字を計上した。近時はコロナ禍で更に業況が悪化し自主再建を断念、プレパッケージ型民事再生法の申請となった。
コロナ第7波の感染が拡大する中、原材料費高騰や原油高、円安の進行によりコストが上昇、当月も食品を中心に値上げラッシュが続き、国内経済は小幅ながら悪化傾向にある。こうした中、運送業・倉庫業などでは大型倒産化が顕著で、最近減少していた民事再生法を申請する企業も増加するなど、倒産傾向に変化が見られるようになっている。
中国ではコロナ感染拡大により深センなどでロックダウンを実施。チャイナリスクは一層高まり、同国に生産を依存する業界にとっては不安材料が払拭されず、また一時円高に向かった為替も当月末には急激に円安が進み、コスト負担が高まることが懸念される。
コロナ融資による資金繰り支援の効果も限界に来ていると見られ、今後はコロナ以前から金融債務の負担が重く、業績不振に陥っていた企業などが破たんするケースが増加する可能性がある。
業種別では、「その他」7件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」6件、「小売商」4件、「織物製造」3件、「染色整理・特殊加工」「織物卸」「呉服・和装製品製造卸」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」各1件。
原因別では、「業績ジリ貧」が22件で92%を占め、「業況急変」2件。
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