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FIBER 倒産統計繊維版

倒産統計繊維版詳細

2022年10月05日

2022年9月 倒産統計繊維版

 2022年(令和4年)9月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は19件で、前月比5件(20.8%)減少、前年同月比では4件(26.7%)増えた。
 負債額は37億8100万円で前月比57億6900万円(60.4%)減、前年同月比では6億8300万円(22.0%)増えた。 
 負債額10億円超の大型倒産は㈱友禅丸章(山梨県甲府市、婚礼衣装卸、負債額10億円)の1件、同5億円以上も㈱ルックイン(東京都渋谷区、かばん・袋物製造、負債額7億2000万円)の1件のみで、前月は大型倒産の三崎商事㈱(大阪府箕面市、婦人服・洋品卸ほか、負債額46億6300万円)が発生したため、負債額は大幅に増加したが、当月は小規模倒産が目立ち、負債額は低水準にとどまった。
 ㈱友禅丸章は婚礼衣装の製造を主体としていたが、その後貸衣装店の運営、卸業務に転換して、近年は4億円前後の年商で推移していた。しかし、ブライダル業界は新型コロナ感染拡大の影響で急速に業況が悪化。2021年3月には東証1部上場ワタベウェディング㈱(京都市、結構式場)が事業再生ADRを申請するなど厳しい商環境が続く中、当社も減収を余儀なくされ、資金繰りが限界に達し、自己破産を申請した。
 一時1ドル145円まで円安が進行し、9月22日日本政府は1998年6月17日以来、24年3カ月ぶりに為替介入を行い、5円程度円高が進んだが、日米の金利差もあって、その後再び円安に移行した。一方で、ウクライナ情勢は出口が見えず、米国を含む世界経済後退の懸念から株式相場も下落傾向となり、先行きの見通しは厳しい状況にある。
 前年同月は「緊急事態宣言」及び「まん延防止等重点措置」の期間延長措置の影響で消費が落ち込んでいた。当月はコロナ第7波の感染は減少に転じたものの、記録的な残暑に加え、シルバーウイークには相次いで台風が上陸したこともあり、アパレル業界では秋物の動きが鈍い。さらに、生活必需品を中心とする度重なる値上げが、消費者マインドを低下させる一因になっている。
 倒産状況をみると、建設工事、運送業などではコロナ禍前のような大型倒産化が顕著になりつつあり、飲食業でもコロナ関連倒産が高い水準で推移している。
 繊維業界は秋冬物納入後の決済端境期でもあり、倒産の大幅増加は見られないが、原料高、輸入物価指数は上昇しており、収益面の影響が一層懸念される。
 雇用調整助成金の特例措置は10月から助成内容が縮小され、各種支援も今後見直される可能性も高く、コロナ禍前から資金繰りに窮していた企業を中心に、年末・年始に向け倒産が増加することも予想される。 
 業種別では、「小売商」7件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」「その他」各4件、「呉服・和装製品製造卸」2件、「織物製造」「ニット製品・洋品雑貨製造卸」各1件。
 原因別では、「業績ジリ貧」が16件で84%を占め、「業況急変」3件。



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