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FIBER 倒産統計繊維版

倒産統計繊維版詳細

2023年01月10日

2022年12月 倒産統計繊維版

 2022年(令和4年)12月の全国繊維業者の倒産(負債額1000万円以上=整理・内整理含む)は28件で、前月比2件(6.7%)減、前年同月比では8件(40.0%)増加した。
 負債額は41億1800万円で前月比7億3000万円(15.1%)減、前年同月比では15億7100万円(61.7%)増加した。 
 負債額10億円超の大型倒産は0件、同5億円以上はジャパンエンバ㈱(神戸市中央区、毛皮製品小売、負債額7億円)、㈱インテリア(東京都江戸川区、日用品雑貨ほか卸、負債6億円)の2件のみだが、負債額1~3億円台の倒産が13件発生したことで負債額を押し上げた。
 ジャパンエンバ㈱は、「毛皮のエンバ」として全国に多店舗展開。テレビCMなどで知名度を高め、1990年代には約80店舗を運営し年商150億円内外を計上した。しかし、バブル崩壊後は業績不振に陥り、2001年8月負債約174億円を抱え民事再生法を申請。その後再生計画を履行しながら規模を縮小して営業を継続していたが、近年は赤字経営を余儀なくされ、資金繰りも多忙化していたところ、2度目の倒産に至った。過去の和議同様、民事再生後に企業が再建を果たすことが如何に難しいかを改めて示す形となった。
 コロナ感染は拡大しているが、人流はコロナ禍以前にほぼ戻り、外国人観光客も大幅に増加、寒波の影響もあって衣料品を含め年末商戦は比較的好調に推移した。しかし、岸田首相が増税路線を打ち出したことに加え、突如日銀がこれまでの金融緩和の方針を転換し、実質利上げの方向を示したことで、1月から大手銀行が住宅ローン金利を引き上げる見通しとなり、消費マインドは今後低下するものと見られる。
 中国がゼロコロナ政策を実質廃止したが、同国内ではコロナ感染拡大により、稼働を休止する工場が増加し生産に影響が出始めており、各業界において再び商品入荷や納期などの問題が発生し、企業業績が悪化することも懸念される。
 今後、冬物決済が増加する繊維業界は倒産が多発する危険な時期に入る。冬物商戦の状況によっては、円安の影響により原価が上昇した在庫商品を抱え、現金化できないまま支払いに支障を来す企業も出てくる可能性もあり、当面予断を許さない状況が続くものと見られる。
 業種別では、「小売商」10件、「紳士・婦人・子供服・被服製造卸」7件、「その他」4件、「ニット製品・洋品雑貨製造卸」3件、「寝具・インテリア製品製造卸」2件、「糸・原料卸」「織物卸」各1件。
 原因別では、「業績ジリ貧」が25件で89%を占め、「業況急変」2件、「資金力薄弱」1件。



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